異文化受容論ゼミ(小田島 恒志)

外国の文化に触れるには、単に情報伝達を目的とした媒体以外にも、様々な機会、方法がある。それは、たとえば文学、演劇、映画、音楽、絵画などのように、知識としてではなく直接感性に訴えてくる場合もある。だが、その感性の持ち主がもともと異文化を背景に持っている以上、その伝わり方はどこまで有効なのだろうか。本国の人々が感じているものと同じ感覚で受容しているとは到底言えないのではないだろうか。

では、100%同じように感じることができないからと言って、それは無駄な行為かといえば決してそうではない。日本人が日本の文化を背景として外国文化を受け止める場合、それがプラスに働くこともあり得るだろうし、伝えようとする人間は、それを効果的に活用する場合もあるだろう。

担当教員自身は英語文化圏の演劇や小説の翻訳作業を通して常に上のようなことを考えている。たとえば、南アフリカの作家アソル・フガートの戯曲を日本で上演した際には、原文から読み取れる様々な文化をいかに日本語のセリフで表わせるか様々なレベルで苦心したが、演劇の場合、言葉で表わしきれない要素を、舞台美術や演出の力で見せることも可能であった。もちろん役者の技量によるものも大きい。とは言え、英語で書かれた原文の中にアフリカーンス語が織り込まれている部分に関しては、さすがに伝えきれたとは思っていない。また、アメリカの作家キャムロン・ライトの小説『エミリーへの手紙』の翻訳では、言葉遊びが重要な要素となっていたのだが、これは直訳するわけにはいかず、いろんな意味で原文を裏切らざるをえなかった。

このように、異文化理解と受容が起こる実際の場(たとえば翻訳)において、とりこぼされる要素と、それに対して伝達者(たとえば翻訳家)がいかに工夫を施しているか、実際の作品を通じてのリサーチと、より効果的な伝達/表現法の更なる可能性を模索、提示することが本ゼミの目的である。

梅澤哲彦さん(2015年度 論系進級)による紹介

みなさん、初めまして!異文化受容論ゼミ4年の梅澤です。この度はこの場をお借りして異文化受容論ゼミ(以下小田島ゼミ)の紹介をさせていただけたらと思っております。

小田島ゼミでは4年の後期に提出するゼミ論文の提出を最大の目標に、毎週火曜日の5時限目に仲間たちと学んでおります。小田島ゼミの最大の特徴は他のゼミと違って「ゼミ論のテーマに制約がない」点です。したがって、テーマは自分自身の興味関心に委ねられています。先生の専門である英語演劇に関して研究を進める学生がいる一方、「スピードスケート」、「横須賀海軍基地」、「ロックバンド」、「震災報道の変化」などテーマは多岐に渡ります。そうした自分の周りの『異文化』への関心を少人数でディベートし各人のテーマを深掘りし、のちの個人のプレゼンでゼミ生全員から意見をもらい、最終的に論文として自身の考えを文字に起こします。様々な意見が行き交う教室は毎時間とてもエキサイティングです。また、先生のお話は毎回興味深く、考えさせられることが多いです。

加えて、小田島ゼミはゼミ生の仲が良く、ひときわ明るいこともひとつのカラーだと考えています。年に一回あるゼミ合宿では勉強もアクテビティもみんなで楽しみ毎年たくさんの思い出ができます。昨年は伊豆、今年は南魚沼に行きました。また、ゼミ後に行われる懇親会も毎回楽しんでいます。昨年は先生が推薦してくださった演劇を授業終わりに見学にも行ったりしました。

あくまで個人的な意見になりますが、ゼミ選びは残りの大学生活の充実度に大いに影響すると思います。わたしの小田島ゼミでの経験はとても大きな財産となり、かけがえなのない時間となっています。いつでもゼミ見学は承っておりますので、見学に来てください。小田島ゼミで最高の2年間を過ごしませんか!?