思想文化論ゼミ(吉原 浩人)

本ゼミは、日本もしくは中国・台湾・韓国・ベトナムなど、漢字文化圏における前近代の思想・宗教・文学・芸術などに興味を持つ学生を対象に設置します。あることを学ぶためには、やみくもに進むのではなく、回り道のようですが、あらかじめ全体像を知っておくと、結果的に時間を短縮することができます。つまり、ある宗教なり作品なりが、どのような世界観やしくみで成り立っているかを知っておくことが、肝要になります。さらに、あることを議論するためには、対象となるテキストを精確に読解することが前提になります。このゼミでは、そのためのノウハウを提供していきたいと思います。

ゼミでは、漢字文化圏の文献を読解するための基礎として、漢文訓読体の説話集を輪読します。具体的には、『今昔物語集』本朝部(巻11~31)のうちのいずれかの巻を、受講生の希望を聞きながら選択して、一回に一話ずつ、学生の発表とそれに基づく討論を中心に進めます。また、辞書の使い方や資料の調査方法ばかりでなく、多元文化論系室のパソコンを利用した検索方法の指導もします。大学院への進学希望者がいれば、四六駢儷文による漢文訓読の基礎についても指導します。4年生には、ゼミ論の内容に応じて、個別指導を行います。毎年の夏休みには、国内で全員参加のゼミ合宿を行い、研究に対する関心を深めます。また、適切な時期に、中国・台湾・香港・韓国など漢字文化圏への研修旅行を実施します(都合により国内になることもあります)。過去には、北京・台湾・香港・深圳・広州に研修旅行を実施しました。ただしこの旅行は、全員参加を強制するものではありません。

本ゼミ卒業生は、金融・保険・不動産・交通・公務員・教員など多分野で活躍していますが、日本文学・美術史・東洋哲学などへの大学院進学者も毎年のように出ています。進学希望者に対しては専門的なアドバイスを行います。ゼミ論の内容は、専門性の高いものから、妖怪や漫画まで、さまざまです。要は、学問的な手続きがきちんとしていれば、ゼミ論には何を書いてもかまいません。このゼミに興味があれば、上記メールアドレスに、遠慮なく質問してください。

【学生から一言】

思想文化論ゼミの魅力は「学問の基礎を学べる」ことです。講義では、漢文や古文の一言一句について典拠となる資料を探して注釈をつけ、各々資料を作り発表します。慣れないうちは一つの言葉の注釈をつけるのにも四苦八苦し、資料を求めて歩き回り、やっとのことで見つけた資料が全く役に立たないことも往々にしてあるなど、苦労の連続ですが、次第にどの建物のどこに何の資料があるか、未知の単語への対処法、自分の必要とする情報を得るには何をすべきかなどが自ずと分かるようになります。これらは漢文や古文の研究の基礎であると同時に、学問をする上での基礎でもあり、論文を書く際は勿論、大学院進学やその後の研究にも必ず役に立つと思います。

また、当ゼミには「オフ」があります。学期の節目には打ち上げが、夏合宿や研修旅行では、史跡参観やゼミ論発表会、そして夜にはバーベキューやカラオケ飲み会などが行われ、大変盛り上がります。この「オフ」によって、当ゼミはとても和気あいあいとした楽しいゼミにもなっています。

その性質上、当ゼミは、漢文及び古文や日本の歴史・文化を研究テーマに据えたい方に特にお勧めですが、勿論それ以外のテーマをやりたい方も大歓迎です。どんなテーマでも、先生からは真摯かつ懇切丁寧な助言をいただけます。ぜひ一度ゼミ見学にいらしてください。皆様にお会いできることを楽しみにしています。(2019 年卒業 木村健太)