ユーラシア文化論ゼミ(松下 隆志)

ユーラシア文化論ゼミでは、ロシアや旧ソ連・東欧などを中心とするユーラシア地域の文化について学んでいきます。「ユーラシア」はEuropeとAsiaを合成したいわゆる「かばん語」ですが、この地域の魅力は何と言っても、純粋にヨーロッパともアジアとも言えない「はざま」の文化の独自性にあります。たとえば、ヨーロッパとアジアにまたがる広大な国土を持つロシアでは「ロシアとは何か?」が重要な問いとなり、19世紀には自分たちのアイデンティティをめぐって「西欧派」と「スラヴ派」が生まれ、20世紀には亡命思想家らの間でアジア的要素を取り込んだ「ユーラシア主義」が新たに提唱されました。ソ連崩壊後のロシアではこうした思想が欧米文化に対抗する政治的なイデオロギーとして利用される向きもありますが、そうした政治性も含め、ユーラシアはいわば「可能性の空間」であり、その文化について学びを深めることは、今日ますます複雑化の様相を呈している国際社会の問題を理解することにもつながります。

担当教員の松下は現代ロシアの文学や文化を専門とし(ポストモダン文学、ナショナリズム文学、ファッション・ヒップホップなどのポップカルチャー)、ロシア文学作品の翻訳(ソローキン、マムレーエフ、ザミャーチンなど)にも従事していますが、もちろんゼミのテーマはロシアや文学に限定されません。旧ソ連地域や東欧などロシア以外の国でも構いませんし、ジャンルも、芸術、映画、思想など、ユーラシアに含まれるものであれば、基本的にゼミ生の皆さんが面白いと思うテーマについて研究を行っていただいて構いません。むしろ、ゼミ生同士が互いに異質なテーマについて自由に議論することで刺激を与え合う場になればいいと思います。

基本的な進め方としては、ゼミに関連する内容の本を一緒に読んでいきながら、各自がゼミ論文に向けて報告を行うことが中心になります。3年生はまだテーマが定まらない方が多いでしょうから、各自の関心に沿って積極的に読書や調査を行い、テーマを絞ります。4年生では、各自が設定したテーマに基づいて文献や資料の収集を行い、ゼミ論文を執筆していくことになります。