漢字・漢文文化ゼミ(河野 貴美子)

本ゼミが掲げる「漢字・漢文文化」とは、中国を中心として朝鮮、日本など東アジア諸地域に及んだ、漢字・漢文を基として展開してきた学術・文化全般を指していうものです。本ゼミでは、既成の学問の枠組みにとらわれず、古代から現代に至るまでの日本、中国、朝鮮など東アジア各地域におけるさまざまな文化現象を漢字・漢文文化への視点を軸にして考察し、魅力ある新たな東アジア文化論を展開していきたいと考えています。例えば、日本の「仮名文」の世界から「漢字・漢文」の存在意義を考えてみたり、西洋の言語との比較から「漢字・漢文」世界をとらえかえしてみたり、いろいろなテーマが考えられます。履修者の皆さんには、さまざまな発想、発言を期待したいと思います。

東アジア地域は、かつて漢字・漢文を共有したことにより、世界的にみても独自の文化圏を形成してきたといえます。授業では、日本を含む東アジア地域共通の文化基盤となっている「漢字・漢文文化」について、その本質、特質、意義、問題点をさまざまな角度から考察することを目標にすえ、具体的には、漢字・漢文文化に関する先行研究を検討、分析するとともに、実際の作品・文献の輪読も行います。また、ゼミ論に向けての準備を進め、構想発表を行っていきます。

  • 3年生は、ことばや文字、文化史などに関する研究書の講読や論文の分析を行い、関連するトピックについて調査・発表を行うととともに、各自ゼミ論文のテーマをしぼっていきます。
  • 4年生は、ゼミ論文の構想を固め、ゼミ生同士でのディスカッションを通して考察を深めながら、論文の執筆を進めます。
  • ゼミ論文テーマの例:
    雅楽とはなにか――時代を超えて変化する音楽のかたち――/カタカナ語と漢字語の社会性について――コロナ禍用語を通して――/カタカナ語は日本語か――日本人の思想的背景から――/「活字」から「フォント」へ 和文印刷史からみる書体概念の変遷/漢字学習の将来を周辺環境のデジタル化から考える/国語教育における新時代の教育的アプローチ――「アクティブ・ラーニング」は本当に有効なのか――/酒と人のつき合い史/中国・台湾の葬儀/日韓関係と相互認識/漢字廃止論者の視点からみる国語国字問題/古代日本と朝鮮半島の言語交流/司馬遷の人物評価/貞成親王考